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外科

外科の特徴

光晴会病院外科では大腸がんや肛門疾患(痔など)、おなかのヘルニア(脱腸)の専門的な診療を行っています。

痔や脱腸の症状でお困りの患者さんは世の中にたくさんいます。しかし症状が「お尻」や「股間」など、他人に見せるのには恥ずかしい場所にあるため、受診をためらっている患者さんも多いと思います。痔や脱腸は「がん」のような悪性疾患ではありません。

通常は命に関わることのない良性疾患ですが、排便や歩行など日々の当たり前の行動に多くの不都合を生じ「生活の質:Quality of Life」を著しく低下させます。

光晴会病院外科では痔や脱腸のような良性疾患と真剣に向き合い、最先端の診断・治療方法、それを支える確かな技術により、患者さんの「生活の質」を向上させるために日々努力しています。

便秘外来

便秘があると生活の質が低下するだけでなく、さまざまの病気の引き金になり予後が不良となることが分かっています。また、便秘は大腸癌などの病気が隠れているサインとなることがあります。本邦では、高齢化社会を背景として、便秘の患者さんの数が膨大になっていますが、その多くが市販薬を購入するか民間療法で対処しています。医療機関を受診し治療を受けている便秘の患者さんは4割にも満たないとの報告もあります。

当院は2022年1月より第1・第3火曜日午後に「便秘外来」(予約制)を開設しました。便秘の診断には問診が最も重要ですが、問診表や排便日誌により便秘に関わる詳細な病歴を確認するように心がけています。また、食事記録表を作成し日々の食事内容を確認するとともに、便秘に対する栄養相談や栄養指導も行っています。

慢性便秘症に対する検査として、排便造影検査や直腸肛門内圧検査、肛門筋電図検査などが当院でも可能になりました。また、バルーンを用いた排出訓練(バイオフィードバック療法)や便秘体操、腹筋トレーニングなども導入しています。近年、新しい便秘薬が続々と登場し治療法が大きく変化してきていますので、様々な薬剤を有効に使用できるように努めています。かかりつけの先生による薬物療法によっても便秘が改善せず、専門的な検査を希望されるときは便秘外来の予約をご検討下さい。

便失禁外来

本邦には便失禁で悩んでいる患者さんがおよそ500万人いると言われています。便失禁はいのちに関わるほどの病気ではありませんが、旅行や外出を控えたり、常にトイレの場所が気になったりと、生活の質を大きく損なう結果を招きます。便失禁は生活習慣の改善や弱った骨盤底筋のリハビリが大切で、薬剤により便の硬さを調整することにより症状の改善がある程度期待できます。これらの治療を行っても便失禁が続く場合は、仙骨神経刺激療法(SNM)と呼ばれる外科的治療を行います。

仙骨神経刺激療法(SNM)は心臓ペースメーカーのような小型の刺激装置により排便に関係する神経を持続的に電気刺激して便失禁の症状改善を図る治療法です。欧米では1990年代から行われており、日本でも2014年から行うことができるようになりました。この治療により約80%の患者さんにおいて便失禁の回数が半分以下に減少し、約40%の患者さんが完治したという報告もあります。

当院では2023年4月より第2・4火曜日午後に便失禁外来(予約制)を開設し、2023年9月から仙骨神経刺激療法が施行可能になりました。便失禁は骨盤底筋訓練や内科的・外科的治療によって症状の改善が期待できる病気です。適切な治療により便失禁になる前の心から楽しめる毎日を取り戻して頂ければと考えています。

大腸肛門病センター

1.増加傾向の大腸癌

近年、大腸癌の患者さんは増加傾向で、死亡数は他の癌と比較して女性で最も多く、男性では肺癌に次いで2番目となっています。大腸癌は非常に早い段階で発見できれば内視鏡的治療で根治治療ができることもありますが、治療の基本は手術になります。進行度によっては手術のみでなく抗がん剤による療法を行うこともあります。大腸癌の発生は50代から高齢化するにつれて多くなりますが、患者数の増加に伴って若い世代から80,90代の高齢の患者さんまで、幅広い世代の治療にあたっています。

2.侵襲の少ない腹腔鏡下大腸癌手術

大腸癌が発生した部位によって様々な術式が必要となり、それぞれの術式が与える負担は異なります。また、機能温存(排便機能、排尿機能、性機能など)できるかどうかも、大腸癌の進行度や術式によって変わります。年齢、合併症や生活環境などの患者背景と病状から患者一人一人に応じた最適な治療法、手術術式を計画し、高い根治性と術後QOL維持を目指しています。


従来、大腸癌手術は開腹手術で行われていましたが、最近では多くの施設で腹腔鏡手術をはじめとした低侵襲手術が行われ、日本や欧米の研究で腹腔鏡手術が根治性、合併症軽減などの点で有用であることが示されています。現在当院では、外科医、看護師を中心とした十分に経験を積んだ大腸癌診療チームで、多くの大腸癌患者さんに腹腔鏡手術を行っています。小さな傷で手術を行うことで、多くの患者さんは翌日から体を動かすことが出来るようになり、肺炎や血栓症などの重篤な合併症の軽減につながり、腸管蠕動の回復が早くなることで経口摂取がスムーズになります。周術期管理は定型化していて、順調に経過すれば術後1週間程度で退院可能となりますが、個別に病状を考慮しながら安心して退院が出来るように心がけています。

3. 大腸肛門病センター

2022年10月に大腸肛門病センター(センター長 伊藤信一郎)を開設し、大腸癌の患者さん一人一人の病状に応じた最適の治療を提供いたします。以前より当院では岡田和也院長を中心に、肛門疾患や便秘・便失禁に対する専門診療を行っており、大腸癌手術後にみられる排便障害に対しても専門的に治療いたします。大腸癌の検査、治療が必要な方がいらっしゃいましたら、ぜひご紹介下さい。

連絡先
TEL:095-857-3533(総合受付)
TEL:095-857-3563(地域連携室)
担当スタッフ
  1. 光晴会病院 院長 岡田和也

  2. 大腸肛門病センター長 伊藤信一郎

おなかのヘルニア(脱腸)

進誠也副院長(日本内視鏡外科学会技術認定取得)により、そけいヘルニア・腹壁ヘルニアなどに対する腹腔鏡手術を中心に年間200件以上の手術を行っています。

おなかのヘルニアセンター

その他の消化器疾患やがん診療に関しても、個々の患者さんの状況を柔軟に把握しつつ、各専門領域のガイドラインに準じて治療方針を決定しています。虫垂炎や胆石症・胆嚢炎に対する腹腔鏡手術も多数行っています。高度進行がん症例や全身状態の不良な症例では長崎大学病院、長崎みなとメディカルセンターなど市内基幹病院と連携して診療を進めています。