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大動脈治療専門外来

大動脈治療専門外来の特徴

当院は血管内治療の施設認定を取得しており、様々な大動脈治療を行う体制を整えております。
患者さんの受け入れに関しましては、毎週火曜日午後を大動脈診療専門日としております。患者さんなどから問い合わせがありましたら、地域医療連携室に連絡していただきますようお願い申し上げます。

お問い合わせ

下記地域医療連携室までお願いします。

診療日:毎週火曜日・木曜日

TEL:095-857-3563 【月~金】8:30~17:00

大動脈治療について

近年の生活習慣の変化により動脈硬化性疾患は増加傾向にあります。心筋梗塞や脳梗塞などで命を落とされる方も少なくありません。

大動脈瘤も同じ動脈硬化を原因とすることが多い疾患です。ただし、心筋梗塞などと大きく異なるのは、大動脈瘤は破裂するまであまり症状を認めないことです。胸部レントゲンで縦郭影が拡大していることで指摘されたり、腹部のエコーをしたところ偶然にみつかることがかなり多いです。発見されたときにはかなり大きくなっており、破裂する一歩手前であったりすることも珍しくありません。また、大動脈瘤が破裂した場合、病院や治療までたどり着かないことも多く、助けることが非常に難しくなってしまいます。事前に診断し、適切なタイミングで治療することが非常に重要な疾患です。
画像診断(特にCT)の発展により、今までは分かりにくかった形状の動脈瘤も診断されやすくなっています。Thin sliceでの画像や、冠状断や矢状断などの画像再構成などによっても今までは判断できていなかったような動脈瘤の発見、経時的変化の観察も可能となっています。紡錘状形態の瘤は比較的診断されやすいのですが、嚢状形態の瘤やPAU(penetrating atherosclerotic ulcer)に関しては一見しただけでは分かりにくく、注意が必要です。さらに、嚢状形態の瘤やPAUは紡錘状に比べると破裂のリスクが高いとされ、大きさのみでは治療適応の判断が難しく、症例ごとに判断しているのが現状です。
治療に関しては、大きく2つの選択肢があります。開胸・開腹での人工血管置換術は従来から行ってきた手術です。侵襲はやや大きくなりますが、根治性が高いのが大きなメリットです。人工血管の改良などにより以前よりも手術侵襲は軽減していますが、対術能の高い若年者に選択することが多いです。
一方で、ステントグラフト内挿術という血管内治療の方法があります。当院では2012年より導入しています。ステントで補強された人工血管がカテーテルに充填されており、血管内で展開することにより、瘤内への血流をなくすことで破裂の予防が可能となります。

原則、全身麻酔で行っていますが、皮膚切開が鼠径部の約2㎝程度のみで可能であり、かなり侵襲が少ないのが大きな特徴です。従来の人工血管置換術が2週間から1か月程度の入院期間を要するのに対して、ステントグラフトでは1週間程度の入院期間で可能です。また併存疾患により従来の開胸・開腹手術が難しい場合や対術能の低い御高齢者でも適応しやすく、手術の適応範囲が大きく広がりました。年々、デバイスの進化も目覚ましく、さらに使いやすく治療効果も良好となっております。
ただし、デメリットも存在します。血管径の細い方や血管の石灰化が高度であったり、動脈硬化により内膜に粥腫が多く狭窄を起こしている場合などの原因によりカテーテルが通過できないと治療ができません。また、頸部分枝や腹部分枝などの重要な大動脈分枝が瘤と近接している場合は、治療ができなかったり、再建が必要となったりします。エンドリーク(脇漏れ)という特有の問題点もあります。瘤がなくなるわけではないので、人工血管の脇漏れや小さな分枝からの血流が発生し、数年後に再拡大を起こし治療介入が必要となることもあります。
ステントグラフトの導入により確実に治療の選択肢が広がりましたが、いずれの治療であってもメリット、デメリットが存在するために、症例ごとに十分な検討が必要となっています。
治療の選択肢が広がった分、治療介入のタイミングや選択など考えるべき問題点も変化してきています。また、レントゲンやエコーなどでも疑われることも少なくないことから、専門外の先生方でもなるべく相談しやすいようにと考え、2019年11月より、当院では大動脈専門外来を設立する運びとなりました。