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下肢静脈瘤外来

下肢静脈瘤について

下肢静脈瘤とは足の血管がこぶのようにふくれる病気です。心臓から出た血液は動脈を通って、酸素を全身に運びます。足に酸素を運んだ血液は、静脈内を重力に逆らって上り、心臓へ戻って行きます。
静脈の血管の中には血液が重力によって足先へ逆流しないように逆流防止弁がついています。
その逆流防止弁が故障すると、血液の逆流が起こり、うっ血が生じ、血管が広がり、蛇行してこぶになります。これが下肢の静脈瘤です。

日本人の約9%に下肢静脈瘤があり、患者数は1000万人以上

出産経験のある成人女性の2人に1人は発症すると言われています。

下肢静脈瘤の症状

  1. 足の血管が浮き出て見える

  2. ふくらはぎがだるい・重苦感

  3. 足のむくみ

  4. 足のこむら返り(つり)

  5. 足がほてる・熱く感じる

  6. 足のかゆみ・湿疹

  7. 足の色素沈着

  8. 足の潰瘍

下肢静脈瘤の手術

下肢静脈瘤は、下肢が腐って切断したり、生命にかかわることはまずありません。

うっ滞性皮膚炎を発症したり、症状があってつらい場合は、静脈瘤の手術を検討します。

静脈瘤があっても、だるさやむくみ、皮膚炎などの症状がない場合、手術の必要はありません。

治療方法

まず治療の大原則は静脈の逆流を止めることです。それで症状は軽快し、さらに静脈瘤を切除することで、静脈瘤が消失します。

  1. 保存的加療:手術や薬を使わない。→ 弾性ストッキング着用など

  2. 高位結紮:逆流している血管の根元を結紮する。

  3. ストリッピング手術:逆流している血管を引き抜く手術。

  4. 血管内治療:血管内焼灼術(レーザーやラジオ波)、血管内接着剤治療(グルー)

  5. 1. 保存的加療

    弾性ストッキング着用:足を締め付けて足に血液がたまるのを防ぎます。進行防止、現状維持が目的で、静脈瘤が治るわけではありません。

    2. 高位結紮

    逆流している血管の根元を結紮します。局所麻酔で体への負担は少ないですが、再発率がやや高いと言われています。

    3. ストリッピング手術

    静脈瘤の根治的な治療として、古くから行われています。逆流している血管を引き抜き、静脈の逆流を止める手術です。再発率が低く、治療効果が長く続きます。全身麻酔、もしくは下半身麻酔が必要で、痛みも伴います。

    4. 血管内治療

    逆流している血管に細い管(カテーテル)を挿入し、ラジオ波、もしくはレーザーにて血管を焼灼、もしくは接着剤で固めて、逆流している血管を閉塞させます。ストリッピング手術と同様の効果を得られますが、局所麻酔での手術が可能で、痛みもほとんどありません。

    高周波(ラジオ波)治療

    血管内接着剤治療

    治療日程

    術後の出血がないかどうかを確認するために、基本的には1泊2日の入院でおこなっています。

    日帰りの希望があれば、それも可能です。手術当日に入院し、1時間程度で手術は終わります。

    翌朝にエコー検査と創部の確認を行った後に退院となります。シャワー浴や日常生活は退院日より可能です。痛みもほとんどないことが多く、とくに生活の制限などはありません。下肢静脈瘤があり、足のだるさ、むくみ、痛みなどが気になる方は、心臓血管外科外来までお問い合わせください。

    お問い合わせ(心臓血管外科)

    下肢静脈瘤があり、足のだるさ、むくみ、痛みなどが気になる方は、心臓血管外科外来までお問い合わせください。

    心臓血管外科(担当医師:佐藤久)はこちら