当院の透析室では、「腎不全治療を通じて透析患者さんのQOLの向上を目指す」という基本方針に基づき、平成24年度の看護目標として、固定チームナーシング導入を目指し、勉強会を行いながら実施していく自ら進んで研修会に参加し、看護力を高める努力をするお互いに思いやりを持ち、チームワークを大切にした職場環境を作るという3項目を掲げ、日々多くの患者さんの血液透析治療に携わっています。
当院で血液透析を受けられている患者さんは、透析歴20年以上の方も多く、最長で透析歴40年という方もいらっしゃいます。
長期の透析によりADLが低下した患者さんや高齢の患者さんでも安心して透析治療を受けていただけるように、ケアマネージャーを通じて地域の介護支援施設との連携を図っています。
透析室設備としては、透析通信システム(日機装社製 Future Net)を早期に導入し、2006年にはFuture Net IIへと移行しました。現在はオーダリングシステムとの連携により、患者さんの情報や血液透析記録などをコンピュータ上で管理しています。
そのため看護ケアに多くの時間をかけることができ、現在では、増加傾向にある糖尿病患者さんを中心とした『フットケア』・日常生活での苦痛を軽減するための『かゆみケア』などの多岐に亘る看護を行っています。
患者さんと長きに亘り良好な関係を築いていくために、『患者カンファレンス』を月に2度行うことで全看護スタッフが患者さんの情報を共有できるようにしています。
患者さんの治療を行う透析装置や透析液は、様々な研修を修了し高度な技術をもつ臨床工学技士が管理・メンテナンスしており、安全な透析治療の提供に努めています。
機械面でのサポートだけでなく、臨床では治療・看護面でのサポートを行い、患者さんの血液検査の結果を基に透析条件などの治療方針を医師と共に検討しています。
医師・看護スタッフ・臨床工学技士がチームとなって患者さんの治療を行うことで、スタッフ全員で患者さんの情報を共有し、安心・安全な治療の提供を心掛けています。
医師情報
大坪 俊夫
宮﨑 健一(腎センター部長)
腎センター紹介
腎センターは、当院開設の母体ともなり長崎県内透析治療の草分け的存在です。
開設当初は腎臓そのものの機能が悪化して透析治療を受けられる患者さんが多かったのですが、ここ十数年では糖尿病の症状の悪化により末期腎不全となり透析治療を受けられる患者さんの数が最も増加しているのが現状です。
2016年現在、当院で血液透析を受けられている患者さんは約180名・腹膜透析を受けられている患者さんは約20名いらっしゃいます。
腎センターは、多人数用透析装置:53台・個人用透析装置2台の計55台の血液透析装置を有し、県内の患者さんだけでなく他県からの旅行患者さんの血液透析にも対応しています。
腹膜透析部門
当院の腹膜透析部門は南5階病棟にあり、腹膜透析導入から退院後の外来受診まで患者さんに関わる腹膜透析の全てを病棟スタッフが把握し治療・看護にあたっています。
南5階病棟では、内科病棟診療方針として
1.最善の治療をまごころを込めて実践します
2.患者さんの権利を尊重し、患者さん中心の治療を目指します
3.医療技術の向上に努めると共に、各専門スタッフと共にチーム医療を実践します
という3項目を掲げ、日々多くの患者さんの腹膜透析治療と内科的治療に携わっています。
当院で腹膜透析を受けられている患者さんは、約20名いらっしゃいます。
各種透析治療への不安や日常生活への支障を患者さんは一番悩むところですが、腹膜透析治療は『遠方からの透析通院が困難・生活リズムの変化が少ない』などの理由で数多くの患者さんが治療選択をされており、当院でも『PD First(第一選択は腹膜透析)』を掲げており、
日常生活の変化が少ない腹膜透析治療への導入を率先して行っています。
南5階病棟では、腹膜透析だけでなく血液透析の導入前の患者さんも入院しています。
そんな患者さんの透析治療に対する不安を少しでも払拭するために、当院外来では3,6.9,12月の第1土曜日に『腎臓病教室』を開くことによって、日常生活の過ごし方や血液透析・腹膜透析の治療法について勉強する機会を設けています。
腹膜透析は患者さん自身及びご家族の支援を受けながら自宅で治療を実施・管理する治療であるため、患者さん自身の自己管理が最も大切です。その中で不安に思うことや、「何かおかしいけど大丈夫だろうか」と思いを解消するため、24時間体制で病棟看護師が対応できるようにしているため、安心して治療に臨むことができます。
腹膜透析について悩みをもっている患者さんは一人ではありません。
患者さん皆さんがいろいろな悩みや不安を抱えていらっしゃると思います。
当院では「PD(腹膜透析)交流会」というものを年に1回開催しており、病棟スタッフと行うことで患者さん及び御家族と身近な関係を築けるよう努めています。
交流会では、いろいろな場所にバスハイクに出掛けています。